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カンピロバクター対策におけるHACCPの重要性

はじめに

カンピロバクター食中毒は、近年、発生件数が増加しており、食の安全に対する意識の高まりとともに、その対策が求められています。特に、鶏肉を介した食中毒が多数報告されており、食品を取り扱う事業者にとって、より一層の衛生管理が求められています。

このような状況の中、HACCP(Hazard Analysis and Critical Control Point)と呼ばれる科学的な衛生管理手法が注目されています。本記事では、カンピロバクター対策におけるHACCPの重要性について、具体的な対策例を交えながら詳しく解説します。

カンピロバクターとは?

カンピロバクターは、細菌の一種で、主に家禽類の腸内に生息しています。食品を介してヒトの体内に入ると、激しい下痢や腹痛などの症状を引き起こす食中毒の原因となります。

HACCPとは?

HACCPは、食品の製造工程において、危害要因(ハザード)を事前に分析し、その発生を防止するための科学的な衛生管理手法です。食品の安全を確保するための国際的な基準として広く採用されており、食品製造業だけでなく、飲食店など幅広い分野で導入されています。

カンピロバクター対策におけるHACCPの重要性

HACCPを導入することで、カンピロバクターによる食中毒を予防するための以下の効果が期待できます。

1. 危害要因の特定
カンピロバクターの汚染経路や、増殖しやすい条件などを分析し、具体的な危害要因を特定することができます。

2. 重要管理点(CCP)の設定
食品製造工程の中で、カンピロバクターの増殖を抑制するために特に重要な工程を特定し、重点的に管理することができます。

3. 監視と記録
CCPにおいて、温度、時間、pHなど、製品の安全に影響を与える因子を定期的に監視し、記録することで、異常を早期に発見し、是正措置を講じることができます。

4. 予防的な対策
危害要因の発生を未然に防ぐための対策を事前に計画し、実施することで、食中毒のリスクを低減することができます。

カンピロバクター対策における具体的なHACCPの取り組み

カンピロバクター対策におけるHACCPの具体的な取り組みとしては、以下の点が挙げられます。

1. 原料の受入段階
 - 鶏肉の温度、外観などを確認し、汚染されている可能性のある原料は受け入れない。
 - サンプリングを行い、微生物検査を実施する。

2. 加工段階
 - 生肉と加熱調理済みの食品を分ける。
 - 包丁やまな板など、調理器具を徹底的に洗浄・消毒する。
 - 調理者の手洗いを徹底する。

3. 加熱調理段階
 - 鶏肉の中心温度まで十分に加熱する。
 - 加熱温度と時間を記録する。

4. 冷却段階
 - 調理済みの食品を迅速に冷却し、カンピロバクターの増殖を抑制する。

5. 保管段階
 - 冷蔵庫の温度管理を徹底する。
 - 先入れ先出しの原則を守る。

まとめ

カンピロバクター対策において、HACCPは非常に重要な役割を果たします。HACCPを導入することで、食品事業者は、科学的な根拠に基づいた衛生管理体制を構築し、消費者への安全な食品の提供に貢献することができます。

【参考資料】
厚生労働省 カンピロバクター食中毒予防について(Q&A)

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